逆流性食道炎はこれまでは男性ならば40~60歳代の肥満傾向ある人、女性なら60歳代以上の腰が曲がってしまった人が多く発症する病気というふうに思われてきました。
ところがここ最近になってそれ以外の年代や性別の人にも数多く逆流性食道炎の症状が見られるようになってきています。
特に珍しいのが、それまで逆流性食道炎を発症することがまずないと思われてきた20~30歳代の若い患者の増加で、決して肥満体型というわけではない若い痩せ型の女性にも逆流性食道炎の症状が出るケースも数多く報告されています。
逆流性食道炎は自覚症状として胃もたれやチリチリとした胃の痛み、口の中に胃液が逆流して起こる酸っぱさや苦さといったものがあるので、ストレスによって引き起こされる胃潰瘍と勘違いをされることもよくあります。
最初は胃潰瘍として内科を受診した人が内視鏡検査によって逆流性食道炎と診断されることもここ最近ではかなりよく見られるようです。

このような逆流性食道炎の患者数の増加は日本国内だけに限ったことではなく、世界的にも増加傾向が見られています。
その理由として挙げられるのが先進国で見られるようになってきているピロリ菌への感染者の減少です。
ピロリ菌とは人の胃の中に感染する菌の一種ですが、これに感染をすると加齢時に胃の粘膜が収縮して胃液の分泌がおさえられるようになるので逆流性食道炎のような胃液の逆流症状は起きにくくなります。
ピロリ菌は人体にとって決してよい存在のものではなく、かつては菌を保有することによって胃炎を起こしてしまうものとして感染をできるだけ防ごうとしてきた菌でもあります。
ピロリ菌は衛生状況の悪い食生活をしていると感染しやすくなるので、先進国で水や食品への衛生環境が改善されたことにより高齢になってもピロリ菌を保有せずにすむ人が増加したということでしょう。

またもう一つ逆流性食道炎を増やしている原因が若い世代にも肥満体型の人が増えてきているという点です。
肥満体型の人は体内部の内臓脂肪が非常に多い状態にあるので、それが胃の周辺を圧迫して逆流を起きやすくしてしまいます。
肥満を誘発するのは食べ過ぎや飲み過ぎですが、そうした日常的な消化器官への大きな負担もまた胃を動かす筋肉の力を弱めて逆流性食道炎になりやすくしてしまいます。
女性に患者が増えてきている理由としては、ファッションとして補正下着や胸元を強く締め付けるような服装をする人が多いことが挙げられます。