逆流性食道炎が怖いのは、放置をしておくことにより食道がんのような重篤な症状の原因にもなってしまうという点です。
食道がんとは食道部分にできる悪性腫瘍のことですが、かなり進行をしてからでないと自覚症状がないということでがんの種類の中でも特に危険性が高いものとして知られています。
逆流性食道炎は一旦胃に運ばれた食べ物が逆流をして胃液が食道を上にむかってこみ上げていくという症状です。
胃液は強い消化力を持つ分泌液であるため、本来胃液の通り道ではない食道に入り込むことにより、その内壁を大きく傷つけてしまいます。
傷ついた食道内壁はその都度再生・回復していきますが、その頻度があまりにも多いとやがて食道粘膜の扁平上皮が胃粘膜の円柱上皮と似たような作りに変化していってしまいます。
この状態になることを「バレット食道」と呼び、食道がんに進展しやすいという大変危険な病状となります。

食道がんは進行することにより増殖した細胞が食道内部を狭くしてゆくことでものを飲み込むときにつっかえるような感覚が出てきたりします。
また食べたものが通るときにしみる感じがしたり、痛みやうずきのような不快感を覚えたりもします。
ですがこうした食べるときの不快感は逆流性食道炎と共通したものであるため、先に逆流性食道炎を患っている人はまさか食道がんになっているとは思わず、病気の進行を放置してしまうということもあります。
さらに言うと、食道がんにおける飲み込む時のつっかえや痛みは早食いをして一気に飲み込むと症状が感じにくくなってしまうので、違和感を感じてもそのまま勝手に治ったと自己診断をしてしまうようなケースもあります。

食道がんが疑われる症状をさらに具体的に説明すると、胸背部痛や声のかすれ、体重減少といったことが挙げられます。
しかしがんの進行が他の部位にも転移をする4期にまで進んだ場合においても自覚症状がほとんどないという人も中には見られているので、やはり素人の自己診断はリスクが高いと言えます。