幅広い年代に見られる疾患

胃から送られる食物が更に消化される部分を十二指腸と言います。
指を12本並べた長さと同じくらいと言われることから十二指腸と呼ばれるようになった部分は、胃と小腸を繋ぐ消化管として重要な役割を発揮します。
十二指腸の粘膜が胃酸で傷つけられてしまって生じるのが十二指腸潰瘍です。

胃酸の影響を強く受けやすいとされるのは十二指腸の入口部分にある球部と呼ばれるところで、潰瘍の状態が悪化すると出血したり穴が空いてしまうという症状に発展します。
幅広い年齢の方が発症するリスクがあり、場合によっては10代でも発症することもあると言われています。

十二指腸潰瘍の原因

十二指腸潰瘍を発症する大きな原因と考えられているのがヘリコバクター・ピロリ菌の存在です。
胃にピロリ菌が存在していると胃潰瘍になりやすくて、十二指腸に存在すると十二指腸潰瘍を生じさせるとの説もあります。

ピロリ菌に感染している方は50歳以上の方は6~8割だと言われていますが、年齢が若くなるほど感染率が低くなります。
これは衛生環境があまり良くなかった時代に育った方や、口移しで母親から食べ物を与えられていた方が感染している可能性が高いことを示しています。

一旦感染したピロリ菌は除菌をされない限り一生体の中で生息し続けて、胃や十二指腸の粘膜を傷つけて胃酸の影響で潰瘍を生じさせることになります。
更にストレスなどの要因が重なることで更に潰瘍を引き起こすリスクが高くなることから、日頃からストレスを抱えている方は注意が必要なのです。
この他に解熱鎮痛剤の副作用として潰瘍ができる場合もあります。

十二指腸潰瘍の症状

十二指腸潰瘍ができると空腹時に痛みを感じやすくなります。
特に夜間や早朝になるとみぞおちの辺りに痛みを感じることから十二指腸潰瘍を疑うことになります。
胃酸過多の影響で吐き気や胸焼けを感じたり食欲が無くなることもあります。
症状が進行すると背中が痛くなったり、出血や吐血、便が黒くなるなどの症状も見られます。

十二指腸潰瘍の治療法

以前は手術で治療を行うことも多かったようですが、現在は薬物療法が中心になっています。

患者さんがピロリ菌に感染している場合にはまず除菌を行う治療が行われます。
胃酸の分泌を抑える薬と合わせて抗菌薬を2種類服用して、しばらく経ってから再度検査を行ないピロリ菌が除菌しきれていない場合にはもう一度薬を変えて除菌を行うための投薬が行われます。
二回目の除菌で約95%の成功率を誇ると言われています。
ピロリ菌が体内からいなくなることで十二指腸潰瘍はほとんど改善すると考えられます。

解熱鎮痛剤などの薬が原因になっている場合には服用をやめて胃酸の分泌を抑えながら潰瘍の治癒を目指します。
他にもストレス解消などの生活面で注意することも必要になります。