逆流性食道炎が起こる原因には大きく二つあります。
1つ目はものを食べたときに口から食べ物を運ぶ食道と、それを受け入れる胃袋の間にある「下部食道括約筋」という筋肉の働きが弱まってしまい、一度入った食べ物を閉じ込めておくことができなくなることです。
2つ目は肥満や姿勢の悪さなどによって胸部が圧迫され続けることにより、胃が押されて中の食べたものや胃液が逆流をしてしまうようになってしまうということです。
肥満というわけではないのですが、女性が妊娠をして胎内の赤ちゃんが成長してくると内臓を強く圧迫してきてしまうので、それが原因となって逆流性食道炎の症状が出てしまうことがあります。
そのため妊娠をした女性がそれまでは全く症状を感じてこなかったような逆流性食道炎を発症してしまうというケースが数多くみられています。

逆流性食道炎は症状が軽いうちは胃のチクチクとした痛みや胃もたれといったことくらいですむのですが、悪化をしてくるとものを食べた時に既に違和感を感じるようになってきます。
食道と胃をちょうどつなぐところを下部食道括約筋といいますが、長く圧迫を受けることでこの筋肉の力が弱まってしまい押し上げられてゆるむという状態になってしまいます。
ちょうど空気の入った風船の出口をねじって止めるようなイメージで考えてもらえばよいのですが、下部食道括約筋は食べ物が通ったあとすぐにねじれるように動いて出口を塞ぎます。
しかし空気の入った風船を強く押すとねじって止めていた風船の出口付近がポコっとおかしな形状に膨らむように、圧迫されている胃袋の状態が続くことにより下部食道括約筋と胃の一部が胸の方に突出していってしまいます。
これが食道裂孔ヘルニアという状態で、ひどくなると外科手術が必要になるほどの重篤な病気にまで発展します。

また妊娠初期の頃には急激に体内のホルモンバランスが崩れることにより、つわりで吐き気をもよおしがちになります。
このときの嘔吐も胃液が本来通ることのないはずの食道を通ることになるので、場合によっては逆流性食道炎と同じ症状を生み出してしまいます。
つまり女性が妊娠をしたときには、初期にはつわりで食道を傷めがちとなり中期以降は胎児の成長のため消化器官が圧迫されるという、非常に逆流性食道炎が起きやすい状況が長期的に続くということになります。
肥満の場合と違って妊娠中というのは自分で体型をコントロールできないので根本的な治療は難しいのですが、できるだけ悪化をしないよう胸部を圧迫しないよう気をつけましょう。